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  • 執筆者の写真NPO法人 みんなちがうからおもしろい

[リレーコラムvol.65 今井絵理 ]

【 個にして全 全にして個 】



1.大阪の施設へ

10月の中旬に大阪のとある施設にお招きいただき、理事のゆみこちゃんとわたしの二人で、ワークショップに伺いました。

その施設には、障害をもった3歳〜18歳の子どもたちが約50人暮らしていました。子どもたちは、その施設から各々の学校に通ったりしているのだそうです。障害の程度も種類もさまざまで、知的障害の子、発達障害の子、肢体不自由の子などいろいろでした。

虐待を受けたり、親が育てられなくなってしまった、など、さまざまな事情でお家では暮らせなくなってその施設にやってくるとお聞きしていたので、学園に伺うまでは正直ドキドキしていました。

心に深い傷を抱えているかもしれない。もしかすると、見ず知らずの相手に対し、自分を守るため攻撃的だったり心を閉ざしたりという行動や反応が見られる子もいるかもしれない。自分はその子たちと向き合えるだろうか。そしてその子たちの向こう側に見えてくる自分自身の恐れと対峙できるだろうか。などなど。

こちらの施設に繋いでくれた方から聞いていた話で印象的だったのは、施設に入所してきた子どもたちと信頼関係を築く上で職員の方がまず最初にすることは、「一緒にお風呂に入ること」なのだそう。虐待をうけた子が抱えやすい、自己否定や無価値観、虚無感に対し、裸のありのままの姿同士で「あなたという存在は尊いのだ」ということを伝えていくのだとか。それを聞いてなんと尊いお仕事だろうと震えました。

さて、実際に施設に到着し、私たちの目に映った施設の子たちは、当初のドキドキを気持ちよく裏切ってくれました。もの珍しそうに「どっからきたん?」「なにするん?」と声をかけてくれる子、スタッフさんのうしろに隠れながら気になってのぞいてくる子、試し行動に出る子、など、反応はそれぞれでしたが、わたしの心配は杞憂に終わり、対応に困ってしまうような子はおらず、笑顔を向ければ笑顔が返ってくるし、みんなこの日を心待ちにしてくれていたそうで、ワクワクが伝わってきて、そして、落ち着いていました。スタッフさんたちから注がれた愛が彼らの心を満たしているのが、とてもとても感じられました。

カラペハリエのワークショップはとても喜ばれました。午前と午後と合わせて3回転。多くの子が夢中になって取り組んでくれて、中には今まで見たことのないような集中力を見せスタッフさんを驚かせる子もいました。『この子がこの室内にいられるのもせいぜい15分が限界だろうな...と予想していましたが、1時間も黙々とカラペを作っている!!!こんな姿を見るのは初めてです!!』的な。(これもカラペアルアルですね)よかったーー。

絵の具に触れていると、また色とりどりのカラペを触っていると、感情が昂ぶってきて「あーーーーー」とか「キィーーーーー」とか大きな声が出る子もいました。こうやって書くと奇声みたいになりますが、その振動に含まれる成分(?)はまちがいなく(うれしい!たのしい!きれいだな!)だってことが肌で伝わってきて、心が揺さぶられ、ふいに涙がでそうになる瞬間が何度もありました。

リラックスして自然体であるがまま、自分らしく振るまう姿のなんと素敵なこと。

感情を抑圧せずあるがままに表せている子どもたちに、感銘をうけました。

と同時に、その姿を支えるのは、日頃から施設のスタッフさんたちが、彼らのあるがままの振る舞いを受けとめ、愛を注ぎ続けてくださるからこその賜物だなと心が震えました。

2.障がいはどこにある?

さて、さんざん「障害をもった子」とか「障害のある子」という言い回しで書いてきましたが、書くたびに違和感を感じながらここまで書き進めてきました。 障害って彼ら自身にあるのでしょうか?

それとも

あるがままでは生きづらい人がでてしまう社会の側に障害があるのでしょうか?

わたしは、障害って社会の側にあって、あるがままでは生きづらいと感じてしまう人を生んでいること自体が障害の正体だな、と思います。

じゃあ、その社会ってなんでしょう?どこにあるのでしょう?

一滴のしずくが水たまりに落ちると

全体と一つになるように

わたしたち人間も

個にして全、全にして個

個人であり社会である存在です。

つまり、わたしも社会だということ。

みんなちがうという前提を忘れずにふつうとか一般的とかいう概念に捉われずに目の前の相手とお互いあるがまま向き合い受け容れ合うようなあり方でいたいなとあらためて思うのでした。

3.循環させたいのは、色だけでなく

せっかくのこのご縁。続けていきたいです。

このような子どもたちのための資金源は親御さんからのものではなく、寄付金や公的な補助金などだそうで、当然余裕があるわけではないとのこと。

その中で、生活に最低限の必要経費以外で子どもたちの心の豊かさを育むために使える予算を確保していくのは難しいだろうな、という印象でした。

だからこそ、カラペハリエの活動で上がった利益やボランティアオーガナイザーさんからいただく参加費からの寄付金を、こういうときの交通費に使ったり、色の循環だけじゃなくお金も心の豊かさも、どんどん循環していけたらいいなと改めて感じました。

4.地方へ行って、直接会える喜び


また、今回の出張では、関西在住のオーガナイザーさんたちとも久々に会うことができました。

大阪の小林あやさんと奈良の松浦みくさんがわざわざ会いに駆けつけてくれました。

やっぱり直接会えるよろこびに勝るものはありません。膝を突き合わせて話せる時間は、よろこびを分かち合えるし癒されるし元気をもらえる!

離れて活動するみなさんのところに定期的に会いにいきたいな、とあらためて実感したのでした。次は、あなたの街にもぜひ呼んでくださいね!




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